まちなかギャラリー 「こけしコレクション」
ごあいさつ
この度、久万高原町に対して、本町出身で株式会社「セシール」の創始者である正岡道一氏(東京都在住)から、ふるさとの発展を願い、多数の創作こけしなどの寄贈を受けました。
「創作こけし」は、本来の発生時の様式に従って作られる「伝統こけし」とは違い、作者個人の自由な発想と独自の技法を用いて制作され、大きさも大小様々で、一体一体特徴ある姿が印象的です。寄贈品は、卓越した技能者に贈られる「現代の名工」に選ばれた関口三作氏、加藤龍雄氏、渡辺正雄氏らをはじめ、日本を代表する作家の作品ばかりです。
まちなか交流館では、これらの個性豊かな創作こけしを展示し、お越しいただいた皆様に、こけしたちの内側から湧き出る温かさや優しさ、そして人と人との絆(交流)を再確認していただけることを願っています。
久万高原町
寄贈者プロフィール
正岡 道一氏
昭和12年、上浮穴郡弘形村大字日野浦(現久万高原町日野浦)生まれ。現在、東京都在住。地元の中学校卒業後、滋賀県の近江高校に進学。
高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。2年後に満期除隊。その後、さまざまな職を経て昭和47年、高松市にて「アジア物産」を創業。
2年後の昭和49年、社名を「東洋物産」と改め、衣類の通信販売事業で業績を飛躍的に伸ばす。
昭和58年には「セシール」に社名変更。平成5年店頭市場へ株式公開し、平成8年には年商2080億円を達成する。平成9年大証二部上場、平成13年大証一部に、そして平成14年1月に東証一部上場を果たし、業界トップへと躍進した。
多忙を極める中でも、ふるさとへの感謝と発展を願う想いは強く、旧美川村、、久万高原町への寄附、美川地区大谷集会所の整備、町立病院の最新医療機器の整備など、町民の福祉増進、農林業の振興、教育文化の進展等に大きく寄与した。
作者紹介
関口 三作 (せきぐち・さんさく)
大正14年~(1925~)
群馬県渋川市生まれ。当初は日本画を志すが、1958年より創作こけしの制作に専念。1969年第11回全日本こけしコンクール(宮城県、白石市、白石市商工会議所主催)において「花カザリ」で内閣総理大臣賞を受賞。その後、1973年の「村娘」、1975年の「かのこ」でも同賞を受けている。その他、受賞多数。
1978年には「現代の名工(卓越した技能者)」に表彰される。1984年、「黄綬褒章」受賞。
現在、日本こけし工芸会参与。
沖 泰宣 (おき・やすのぶ)
昭和30年~(1955~)
福岡県生まれ。1982年より創作こけしの制作をはじめる。義父である関口三作に師事。
1988年、全国近代こけし展(にほんこけし工芸会主催)で「飛翔」にて文部大臣奨励賞を受賞。1993年第35回全日本こけしコンクールにおいて「風花」で運輸大臣賞、2002年第44回展では「夕涼み」で経済産業大臣賞、2014年第54回全群馬近代こけしコンクールで「ミハラシ」にて内閣総理大臣賞を受賞。その他、受賞多数。
現在、日本こけし工芸会同人。
沖 いづみ (おき・いづみ)
昭和31年~(1956~)
群馬県渋川市生まれ。多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業後、父・関口三作に師事。創作こけしの制作をはじめる。
1984年全国近代こけし展(日本こけし工芸会主催)で新人賞受賞。同展覧会では他にも、1994年に工芸会賞、1997年は東京新聞社賞、1998年には「涼」にて文部大臣奨励賞を受賞している。その他、受賞多数。
現在、日本こけし工芸会同人。